法律について

以下の行為は、刑事罰の対象となります。

  • B-CASカードの改ざん

    インターネットに掲載されていた「不正改ざんプログラム」を使って、有料放送が無料で見られるようにB-CASカードを改ざんした。

  • 「不正改ざんカード」の使用

    「不正改ざんカード」を使って、 有料放送を無料で視聴した。

  • 「不正改ざんプログラム」の提供

    B-CASカードを改ざんする「プログラム」をインターネットに掲載し、提供した。

  • 「不正改ざんカード」などの販売・提供

    「不正改ざんカード」「不正改ざんプログラム」を、インターネットなどで販売・提供した。

  • 上記は例示であって、違法行為が上記場合に限定されるものではありません。
  • B-CASカードの不正改ざん及び「不正改ざんカード」「不正改ざんプログラム」の販売、使用などは、刑事罰の対象になるばかりでなく、損害賠償請求の対象にもなります。
これらに適応される法律
  • 1刑法(私電磁的記録不正作出及び供用)
  • 2不正競争防止法
  • 3著作権法

刑法(私電磁的記録不正作出及び供用)

  • 有料放送事業者は、契約者以外の視聴を制限するため、番組にスクランブルをかけて放送しています。
  • B-CASカードは、有料放送を契約した人のテレビのみ、スクランブルを解除し番組を視聴できるようにしています。
  • 有料放送を無料で視聴できるようにB-CASカードを不正に改ざん(電磁的記録を不正に作成)したり、「不正改ざんカード」を使って有料放送を無料視聴したりした場合には、刑事罰(刑法の私電磁的記録不正作出及び供用)の対象となります。罰則は、いずれも5年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

刑法(抜粋)

(電磁的記録不正作出及び供用)

第百六十一条の二

人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を不正に作った者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 (中略)

3不正に作られた権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を、第一項の目的で、人の事務処理の用に供した者は、その電磁的記録を不正に作った者と同一の刑に処する。

4前項の罪の未遂は、罰する。

※各条文はe-GOV(http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi)より引用。

不正競争防止法

  • 不正競争防止法は、公正な競争を確保し国民経済の健全な発展に寄与することを目的に「不正競争」行為を禁止しています。
  • 契約者以外の視聴を制限するため、技術的制限手段を用いて影像等の視聴・複製を制限する放送(有料放送事業者のスクランブル放送はこれに含まれます)について、この技術的制限手段の回避を可能にするプログラムや装置などを提供することは「不正競争」行為に該当します。
  • B-CASカードを改ざんするプログラムをインターネットで提供する行為や、「不正改ざんカード(装置)」をインターネットなどで販売する行為は、不正競争防止法違反の対象となります。罰則は、いずれも5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金(またはこれらの併科)です。

不正競争防止法(抜粋)

(定義)

第二条

この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。(中略)

十一他人が特定の者以外の者に影像若しくは音の視聴若しくはプログラムの実行又は影像、音若しくはプログラムの記録をさせないために営業上用いている技術的制限手段により制限されている影像若しくは音の視聴若しくはプログラムの実行又は影像、音若しくはプログラムの記録(以下この号において「影像の視聴等」という。)を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能を有する装置(当該装置を組み込んだ機器及び当該装置の部品一式であって容易に組み立てることができるものを含む。)若しくは当該機能を有するプログラム(当該プログラムが他のプログラムと組み合わされたものを含む。)を記録した記録媒体若しくは記憶した機器を当該特定の者以外の者に譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、若しくは輸入し、又は当該機能を有するプログラムを電気通信回線を通じて提供する行為(当該装置又は当該プログラムが当該機能以外の機能を併せて有する場合にあっては、影像の視聴等を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする用途に供するために行うものに限る。) (後略)

(罰則)

第二十一条

2次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (中略)

不正の利益を得る目的で、又は営業上技術的制限手段を用いている者に損害を加える目的で、第二条第一項第十号又は第十一号に掲げる不正競争を行った者 (後略)

不正競争防止法について、更に詳しくお知りになりたい方は、経済産業省が作成した、「不正競争防止法の概要」をご覧下さい
(*技術的制限手段回避装置等提供行為については、25ページから28ページを中心に記載されています)

著作権法

  • 平成24年の著作権法改正(10月1日施行)で、B-CAS方式などの暗号型技術も、著作権の技術的保護手段として、新たに著作権法による保護の対象となりました。 これにより、B-CAS方式を用いて技術的な視聴制限がかけられている有料放送などについて、視聴制限を回避するプログラムや装置などを提供する行為は著作権法違反に該当することになりました。
  • 具体的には、B-CASカードを改ざんするプログラムをインターネットで提供する行為や、「不正改ざんカード(装置)」をインターネットなどで販売する行為は、著作権法違反の対象となります。罰則は、いずれも3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金(またはこれらの併科)です。
  • また、私的使用目的であっても、B-CAS方式など暗号方式による技術的保護手段の回避により可能となった複製は、民事上違法となりました。

著作権法(抜粋)

(定義)

第二条

この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。(中略)

二十技術的保護手段 電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法(次号において「電磁的方法」という。)により、第十七条第一項に規定する著作者人格権若しくは著作権又は第八十九条第一項に規定する実演家人格権若しくは同条第六項に規定する著作隣接権(以下この号、第三十条第一項第二号及び第百二十条の二第一号において「著作権等」という。)を侵害する行為の防止又は抑止(著作権等を侵害する行為の結果に著しい障害を生じさせることによる当該行為の抑止をいう。第三十条第一項第二号において同じ。)をする手段(著作権等を有する者の意思に基づくことなく用いられているものを除く。)であつて、著作物、実演、レコード、放送又は有線放送(次号において「著作物等」という。)の利用(著作者又は実演家の同意を得ないで行つたとしたならば著作者人格権又は実演家人格権の侵害となるべき行為を含む。)に際し、これに用いられる機器が特定の反応をする信号を著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像とともに記録媒体に記録し、若しくは送信する方式又は当該機器が特定の変換を必要とするよう著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像を変換して記録媒体に記録し、若しくは送信する方式によるものをいう。(後略)

(私的使用のための複製)

第三十条

著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。(中略)

技術的保護手段の回避(第二条第一項第二十号に規定する信号の除去若しくは改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うこと又は同号に規定する特定の変換を必要とするよう変換された著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像の復元(著作権等を有する者の意思に基づいて行われるものを除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第百二十条の二第一号及び第二号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合 (後略)

第百二十条の二

次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

技術的保護手段の回避を行うことをその機能とする装置(当該装置の部品一式であつて容易に組み立てることができるものを含む。)若しくは技術的保護手段の回避を行うことをその機能とするプログラムの複製物を公衆に譲渡し、若しくは貸与し、公衆への譲渡若しくは貸与の目的をもつて製造し、輸入し、若しくは所持し、若しくは公衆の使用に供し、又は当該プログラムを公衆送信し、若しくは送信可能化する行為(当該装置又は当該プログラムが当該機能以外の機能を併せて有する場合にあつては、著作権等を侵害する行為を技術的保護手段の回避により可能とする用途に供するために行うものに限る。)をした者

業として公衆からの求めに応じて技術的保護手段の回避を行つた者 (後略)

改正著作権法について、更に詳しくお知りになりたい方は、文化庁が作成した、「平成24年通常国会 著作権法改正について」をご覧下さい(*技術的保護手段回避装置等提供行為については、3.改正の概要(4)及び4.改正法Q&A(3)を中心に記載されています)

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